早期退職者募集3割減、昨年、景気回復を反映

 東京商工リサーチは、2011年に希望・早期退職者の募集を実施した

上場企業の動向をまとめた。早期退職者を募集した企業は58社で前年より

3割減った。リーマン・ショックの影響が出た09年以降の景気回復で、

実施企業の減少が続いている。ただ、足元は生産拠点の海外移転などで

雇用を絞り込む動きもあり、再び増える可能性もある。

 早期退職者募集を実施した企業数は、09年に191社に増加した後、

景気回復局面で減少傾向となった。11年は戦後最長の景気拡大局面に

あった06年(46社)以来の少ない実施企業数となった。東日本大震災

があったため、復旧・復興活動の人材需要で募集を遅らせた企業もあったという。

 業種別では電気機器が13社と最多、情報・通信の10社が続く。

これらの業種では、海外企業との競争激化で業績が厳しい。円高を背景に

した生産拠点の海外進出で国内雇用が減る可能性もあり、12年は再び

募集実施企業が増える可能性があると東京商工リサーチではみている。

日本経済新聞