公務員の退職金400万円削減

国家公務員の退職手当(退職金)と共済年金をあわせた「退職給付」の

見直しを議論する政府の有識者会議(座長・森田朗学習院大教授)は

23日、民間との約400万円の差を埋めるため、当面は退職手当を引き

下げる方針を決めた。政府は国会に国家公務員退職手当法改正案を

提出し、今年度中から下げ始めたい考えだ。 国家公務員の退職給付

を巡っては、岡田克也副総理らが消費増税の前提の「身を切る改革」の

一環として、早期の官民格差是正を主張している。国会で審議中の

被用者年金一元化法案には「職域加算」と呼ばれる共済年金の上乗せ

給付の廃止を盛り込んでいるが、最短でも2015年9月までは存続する。

同会議はその前に退職手当を減らし、格差を是正する必要があると判断

した。400万円分は段階的に引き下げるのが適切との意見が多数を占めた。

早期退職の拡充も求めている。 総務省は関係労組などと調整して法案を

まとめるが、民主党の労組出身議員から「公務員制度改革関連法案の成立前

に退職手当削減の話が出るのはおかしい」との不満が噴出。労組幹部も「暮らし

に影響を及ぼす急激な減額は受け入れ難い」と漏らす。 党内には「実際の

格差はもっと大きい」と一段の切り込みを求める声もある。議論の前提となった

人事院調査は従業員50人以上の民間企業が対象で、小さな会社を含めれば

格差は大きくなるためだ。

日本経済新聞