かんぽ生命の学資保険、元本割れ解消
かんぽ生命保険は主力商品の一つである「学資保険」で、保障内容を簡素にした
新商品を来年にも投入する。契約者が支払う保険料を引き下げ、払い込んだ
保険料が受取保険金を上回る「元本割れ」を解消する。民間生命保険との利回り
格差を縮め、顧客離れに歯止めをかける狙い。 かんぽ生命の新商品は今春の
改正郵政民営化法成立後初めて。すでに金融庁と商品の認可に向けた調整に
入った。今秋までに正式申請する。政府は郵政の監視役である「郵政民営化委員会」
の意見を聞いたうえで認可の是非を決める。 新商品は契約者の子どもが死亡した
場合の保障を無くし、民間に比べて実質的に2~3割高い保険料を引き下げる。
学資保険は貯蓄目的で契約する人が多く、民間の商品も子どもの死亡保障が無い
ものが多い。 かんぽ生命の2011年度の学資保険の新契約件数は約22万件。
民間生保も含め最大のシェアを維持しているが、ピーク時の1993年度(約160万
件)に比べて9割近く減っている。元本割れを嫌う利用者が多いためだ。 ただ
民間生保や米国政府はかんぽ生命の業務拡大を強く警戒している。学資保険は
利幅が薄いため民間の抵抗は比較的少ないとの声もあるが、新商品が認められる
かどうかは不透明な部分も残る。
日本経済新聞
2012年5月28日 11:53 PM | カテゴリー:社労士