パート労働条件見直し、正社員待遇10万人増。
厚生労働省は正社員と同じ働き方をする有期契約のパート労働者の待遇を
正社員並みにするように制度を見直す方針だ。約10万人のパートの労働条件
が改善される一方、企業にとっては負担増になる。制度の見直しに必要な
パート労働法の改正案を来年の通常国会をめどに提出することを目指す。
厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会の分科会に29日に見直し案を
提示する。パート労働者は(1)仕事の内容が同じ(2)転勤などの働く仕組みが
同じ(3)実質的に無期契約――のすべての条件を満たした場合のみ、正社員と
同じ待遇にすることが企業に義務付けられている。このうち「実質的に無期契約」
という条件を削除する方針を決めた。 現状で正社員待遇を受けているパート労働者
は全体の1・3%の約18万人。条件の緩和によって対象は約29万人にまで広がる
見込み。 具体的には、給与や福利厚生施設の利用、教育・訓練などを正社員と
同じにする。 ただ、保護の対象が広がることに一部の企業が反発する可能性も
ある。通勤手当をパート労働者にも支給するかなど、労使の意見対立が残る点も
ある。厚労省は今後、細部を詰めたうえで、来年の法案提出につなげる方針だ。
日本経済新聞
2012年5月29日 9:43 PM | カテゴリー:社労士