2012年 09月

厚年基金廃止、解散・他制度移行[東京 社会保険労務士]

 厚生労働省は28日、AIJ投資顧問による年金消失問題を話し合う対策本部を開き、厚生年金基金制度を

廃止する方針を確認した。10年程度の経過期間をおいて廃止する。運用利回りの低下が長引き、

財務改善にメドがつかない現状を踏まえ、辻泰弘副大臣は「時代的使命が終わった」と述べた。

 対策本部では廃止方針のほか、持続可能で中小企業が入りやすい企業年金の構築、厚年基金を

解散しやすくするための対策を進めることを決めた。厚労省は厚年基金制度改革試案をつくり、

社会保障審議会で年末までに成案をまとめる。これをもとに改革法案を来年の通常国会に提出する。

 厚年基金制度の廃止は2段階で進む見通しだ。第1段階では、他の年金制度に移行するか、

基金の解散を促す。積み立て不足がない健全な基金は、加入者自らが運用する確定拠出企業年金か、

将来決まった年金を受け取れる確定給付企業年金に移行してもらう考えだ。

 解散を促すのは、主に財政難の基金が対象だ。厚年基金は全体の半数にあたる286の基金が、

国から預かって運用する公的年金である厚生年金の一部で損失が生じている。今後、運用の低迷で

損失が拡大すれば、厚生年金本体の財政への影響が大きくなりかねず、早期に解散してもらう。

 第2段階で、厚年基金制度が廃止され、基金に残った企業は企業年金がなくなる。解散には損失を

基金が穴埋めするのが原則だが、損失を返す体力のない基金が最後まで残るとみられる。厚労省は

積み立て不足の最終処理は、厚生年金保険料を使って穴埋めすることを想定しているが、厚年基金と

は無関係の会社員にツケが及ぶことになる。

 厚年基金が解散すると、現役の加入者も受給者も公的年金に上乗せして給付している企業年金が

受け取れなくなる。基金が積み立て不足を払ったうえで残った財産は加入者と受給者の全員に分配する。

ほとんどの厚年基金は解散後、企業年金をつくる体力に乏しく、将来は公的年金だけに頼る会社員が

増えることになりそうだ。

日本経済新聞

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