人材派遣の需要に回復の兆し [東京 社会保険労務士]
人材派遣の需要に回復の兆しが出てきた。派遣大手の派遣数はリーマン・ショック後初めて
増加に転じ、企業が派遣会社に支払う派遣料金も一部で4年ぶりに値上げが浸透。
東日本大震災後の落ち込みから回復している製造業や個人消費関連など幅広い業種で需要が増えた。
人材需要が回復する中、企業は正社員の採用を抑えて派遣を活用しようとしている。
大手の派遣人員数は増加している。7月にスタッフサービス(東京・千代田)が派遣した人数は
前年同月比3・5%増だった。マンパワーグループ(横浜市)は1%増、リクルートスタッフィング
(東京・中央)も増加。パソナやテンプスタッフも「回復している」。スタッフサービスは8月も
3・7%増えた。
派遣大手は今年に入り、顧客企業との個別交渉で派遣料金の引き上げを要請。1人1時間あたり
数十~100円前後(2~5%)を提示しているもようで、春以降に徐々に浸透している。事務職の
上げ幅は平均5~15円(0・5%前後)程度。派遣料金の上昇は2008年春以来となる。
語学や財務など技能を備えた場合、派遣料金を50~200円程度上積みする例もある。
リクルートなど大手5社は派遣市場、約5兆円の約2割を占め、値上げの動きが広がる可能性がある。
派遣会社が派遣社員に支払う時給も上昇基調が目立ってきた。リクルートの調べでは主力の
OA事務職は7月、1394円で前年同月に比べ1・9%上がった。
派遣需要は製造業からサービス業まで幅広く回復。「販売が堅調な住宅の展示場や営業所の
求人が目立つ」(テンプスタッフ)。自動車部品製造、通販のコールセンター、スマートフォン
(高機能携帯電話)のサポートセンター、コンビニ向け食品工場も好調。出遅れ感のあった事務派遣
なども復調してきた。
復興需要などを背景に雇用は改善に向かっている。雇用全体の動向を示す有効求人倍率は7月には
0・83倍まで改善したが、依然として求人が求職を下回る。正社員の採用に慎重な企業は多く、
派遣社員の活用が広がっている。
日本人材派遣協会が加盟500社を対象とした調査では4~6月に派遣社員として働いた人員数は
前年同月比1・9%減。09年10~12月を底に減少率は縮小しているが、マイナスの状態にある。
08年のリーマン・ショック後に派遣の雇い止め批判が広がり、派遣労働者の市場は急速に縮んだ。
仕事がある時だけ派遣会社と契約を結ぶ「登録型」を除く派遣労働者数は、11年度に137万人と
ピークの08年度から3割減少した。派遣労働者の保護や雇用の安定をめざし、政府・与党が労働者
派遣法の改正に動いたことも企業の派遣離れにつながった。
ただ、先の通常国会で成立した改正労働者派遣法(10月施行)は、当初予定していた登録型派遣
と製造業への派遣を原則禁止とする条項を盛り込まなかった。規制色が大幅に後退した法改正で、
企業側に安心感が広がり派遣回帰が進んだ面もある。
人材派遣の需要に回復の兆し ~東京 社会保険労務士
日本経済新聞
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2012年9月14日 9:19 PM | カテゴリー:社労士
