厚生年金基金のずさんな運用実態[東京 社会保険労務士]

AIJ投資顧問による年金消失問題で表面化した厚生年金基金のずさんな運用実態が

再び明らかになった。長野県建設業厚生年金基金(長野市)がAIJ投資顧問とは別に

未公開株運用でも損失を出した問題で、金融庁は16日、運用を受託していた

ソシエテジェネラル信託銀行など3社に1~3カ月の一部業務の停止命令を出した。

 金融庁から処分を受けたのはソシエテのほか、ユナイテッド投信投資顧問と

スタッツインベストメントマネジメント。ソシエテには3カ月間の法人部門の新規信託業務の停止、

ユナイテッドには2カ月、スタッツには1カ月、それぞれ新たな投資一任契約の締結停止を命じた。

 証券取引等監視委員会によると、3社は長野県建設業厚年基金の指示で、投資会社

「アール・ビー インベストメント・アンド・コンサルティング(RBICO)」(東京)などが作った

未公開株ファンドに資金を振り向けた。上場の見込みがないのに上場予定とした未公開株や

RBICO社長が経営する別会社に利益をもたらす取引も含まれたという。投資の失敗でファンド

資産は当初の3分の1以下の22億円まで減った。

 金融庁は3社が管理者としてRBICOなどの運用体制や投資実態を調べる義務を十分果たして

いなかったと判断した。3社はAIJのように詐欺で年金資産を消失させたわけではないが、

投資のプロとしての監視義務を怠り、厚年基金の暴走に歯止めをかけられなかった責任を重くみた。

 スタッツは「処分を深く受け止めており、当社に不足していた部分について全力で努力する」、

ユナイテッドは「信頼回復に努めていく」とコメントしている。

 長野県警も16日、長野県建設業厚年基金の資産をだまし取った詐欺の疑いでRBICOの

家宅捜索に踏み切った。RBICOは届け出業者で、金融庁に処分権限がない。警察が刑事事件と

して捜査に動いた格好だ。 改めて浮き彫りになったのは年金基金のガバナンス不全の根深さだ。

長野県建設業厚年基金はAIJによる運用詐欺で多額の損失を計上。元事務長は20億円もの

年金資金を横領し、海外逃亡したとして捜査当局が追及している。RBICOを介した未公開株投資も

この元事務長が主導していた。本来は投資の決定権限を持たない事務長が運用を左右する基金の

ずさんさは深刻だ。 一方、金融庁は16日、ソシエテジェネラル信託銀行にプライベートバンキング

部門でも顧客への説明が不十分だったなどとして一部業務の1カ月間の停止を命じた。

日本経済新聞

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