指名解雇

 日本IBMで「米国流」のリストラが始まったのか。業績が頭打ちのためしばらく前から

効率化を進めてきたが、最近は成績不振を理由に解雇に踏み切るケースがある。

 日本は解雇のハードルが高いとされる。日本IBMもこれまでは面接を繰り返し、

反論する機会も与える方式を採用。結果的に解雇を受け入れない社員もいた。しかし今春、

56年ぶりの外国人社長にマーティン・イェッター氏が就任したことが影響したのか、

一方的に退社を命じるケースが明るみに出ている。日本IBMは社員が自ら退職する

意思を示した場合は解雇を撤回、自己都合退職を認めて退職加算金を支払うなどの

措置を取っている。裁判費用などを考え、自主退職の形に誘導する意図もにじむ。

 イェッター氏は日本IBMの課題について「コスト削減より売り上げを伸ばすことが重要」

と強調。成績不振者を減らすことで、生産性を底上げする戦略なのだろうか。

日本経済新聞