派遣事業撤退へ直接雇用に切り替え
銀行大手の三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループが、
今年度末までに系列企業が行う派遣事業から撤退する方針を固めたことが23日、分かった。
労働者派遣法の改正で、グループ内の派遣会社から系列各企業への派遣割合が8割以下に
規制されたためで、両グループは同法に抵触する恐れがあると判断。在籍する派遣社員計
約1万8千人について、順次直接雇用に切り替える見通しだ。グループ内派遣の規制を強化
した改正法施行後、大手企業グループの派遣事業撤退が明らかになるのは初めて。今後、
他の企業グループでも同様の動きや事業見直しなどが進むとみられ、厚生労働省は労働市場
や雇用環境などへの影響を注視するとしている。三井住友は、グループ傘下の
SMBCスタッフサービスが銀行本体に約7300人、グループ全体で約1万人の社員を派遣し
ている。グループ外への派遣実績はほとんどなく、来年1月までに全員を派遣先での直接雇用に
切り替える方針を決めた。直接雇用後もグループ全体の人件費は変わらない見通しで、同社は
賃金や待遇面などで不利益が生じないよう配慮するとしている。SMBCスタッフサービスに
ついても、給与計算や労務管理などを受託する会社として存続させる。三菱UFJも、
傘下の三菱UFJスタッフサービスが抱える派遣社員のほぼ100%にあたる約7900人を、
窓口業務や受付などの事務系要員などとして銀行本体に派遣していたが、大半を今年10
月までに直接雇用に切り替えた。関係者によると、今年度末までに派遣事業から撤退する方向
で検討を進めているが、三菱UFJ広報は「撤退するかどうかは回答を差し控えたい」としている。
産経新聞
2012年12月24日 5:11 PM | カテゴリー:社労士