女性の活用増加
世帯の収入を共働きで維持しようとする傾向が一段と鮮明になってきた。総務省が19日発表した
2012年の家計調査によると、2人以上の世帯の平均実収入(月額)は51万8506円と物価変動
の影響を除いた実質で前年比1・6%増えた。女性の社会進出が進んでいるうえ、生活を支える
ためにパートを始める人が増え、女性配偶者の収入が過去最高となった。 2人以上のすべての
世帯のうち、収入を把握できる勤労者世帯を調べた。世帯主の収入は0・2%増にとどまったが、
女性配偶者の収入が5万9177円と11%増え、記録が残る1963年以降で最高となった。
背景には労働市場で女性の存在感が高まっていることがある。総務省が同日発表した12年の
労働力調査の詳細集計によると、女性の雇用者(役員除く)は前年比9万人増の2288万人で、
過去最高となった。特に医療・福祉の分野での就業が進み、正規・非正規社員ともに増加した。
一方の男性は合計2865万人と20万人減った。正規・非正規ともに前年の水準を下回った。
労働市場に参加していない「非労働力人口」をみると、男性は前年と比べ27万人増えたが、
女性は3万人減った。定年や就職活動の断念で男性の労働が減ったかわりに、家計を支えるため
に働きに出る女性が増えたことがわかる。 ただ家計収入が伸びても、消費拡大の動きは鈍い。
2人以上世帯の消費支出は月間平均で28万6169円で、実質、名目ともに前年比1・1%増と、
収入の伸び率1・6%を下回った。家計の苦しさが続き、一時的な収入増加では財布のひもを
緩めるのが難しい状況を映し出している。
日本経済新聞
2013年2月20日 10:25 PM | カテゴリー:社労士