なでしこ銘柄 女性活用
東京証券取引所は26日、女性社員を積極活用し、経営効率も高い「なでしこ銘柄」として「ユニクロ」の
ファーストリテイリングや日産自動車、花王など17社を選んだ。上場企業を様々な観点で評価し、個人投資家などを
市場に呼び込むプロジェクトの一環。今回は女性の活用推進に取り組む経済産業省と共同で実施した。
なでしこ銘柄は、東証1部上場企業が対象。業種ごとに(1)女性の登用実績や仕事と家庭の両立支援の取り組み
(2)自己資本利益率(ROE)の高さ――の2点で評価した。 今回、選ばれた企業の多くが女性活用を業績拡大に
つなげている。ファストリでは、10年前はグループ店舗の1~2割だった女性店長が現在では3分の1を占める。
女性の視点を生かした商品戦略やネット販売の強化で効率的に収益を伸ばし、2012年8月期のROEは20%に
上昇した。 日産は複数の事業所内託児所を設け、仕事と家庭の両立支援に注力。花王も国内のグループ
正社員に占める女性管理職の比率が1割近い。前期実績のROEも日産と花王がともに11%と、東証1部企業の
平均(約5%)を上回る。 東レはいち早く1974年に育児休業制度を導入。12年度からは小学3年生以下の子供
を持つ従業員を対象に在宅勤務制度も採用している。 女性活用で先行する、なでしこ銘柄の市場における
評価は高い。11年末からの株価騰落率をみると、17社のうち11社が日経平均株価(35%)を上回った。
東証を傘下に持つ日本取引所グループの斉藤惇グループ最高経営責任者(CEO)は「今回の試みが女性幹部
の割合が少ない日本企業の特殊性を変えるための議論につながればいい」と話した。 東証では昨年、個人に
株式投資の魅力を伝えるプロジェクト「+YOU」を開始。全国で投資イベントを開催するほか、テーマごとに優れた
銘柄を選んで紹介している。女性人材の活用を切り口にした今回は3回目の銘柄選定となる。
日本経済新聞
2013年2月27日 10:52 PM | カテゴリー:社労士