飲食店バイト・パート給与時給上昇
飲食店のアルバイトやパート従業員の時給が上昇している。求人大手の調べでは、5月のフード系時給は
三大都市圏で3年7カ月ぶりの高水準となった。景気回復の兆しを受け、5月の求人件数は全職種で前年比
3割増えた。外食企業は震災後に抑制していた新規出店を再開し、求人数は全業種トップの38%増加。
ただ、時給が高い塾講師などの「専門職」は下がり、全体の平均時給は低下している。 求人情報大手の
リクルートジョブズ(東京・中央)のアルバイト・パート平均時給調査(募集時点)では、5月のフード系は
三大都市圏(首都圏・東海・関西)で前年同月比2円(0・2%)高の920円。2009年10月以来の高い水準
になった。 5月のアルバイトとパートの求人件数は全職種で前年同月比30%増の20万356件だった。
求人が最も増えているのは外食店や居酒屋チェーンで働くフード系で38%増の6万8948件。製造・物流・
清掃系も29%増の3万5282件となった。 飲食店のバイトやパート時給の上昇は、景気や消費の回復を
見込んだ外食企業の新規出店の拡大が背景にある。牛丼チェーン「東京チカラめし」を運営する
三光マーケティングフーズは12年に100店舗近くを新規出店。「出店が多く、人材の確保が間に合わない」
(三光マーケティングフーズ)。 居酒屋チェーン「はなの舞」などを展開するチムニーは昨年、直営店のほか
フランチャイズ店など61店を新規出店し、店舗数は700店近くになった。今年も55店の新規出店を予定して
おり「首都圏のほか地方都市でも人材確保が難しくなっている」(チムニー)。 製造業のバイト時給も上昇
している。5月は製造・物流・清掃系が前年同月比2円(0・2%)高の932円。16カ月連続で前年実績を
上回った。特に自動車業界など組立工の時給は942円と昨年5月に比べ12円(1・3%)上がった。円安で
製造業が自動車の増産などに動いており、時給引き上げにつながった。 ただ、全体の平均時給は低下
している。インテリジェンスの調べでは5月の平均時給は1・3%安い969円。前年同月を9カ月連続で下
回った。特に時給の高い専門職の低下傾向が目立つ。5月の専門職系時給は3・8%下がり、1126円。
9カ月連続でマイナスとなった。職種は塾講師やプログラマーなどで「高度な知識や技能にこだわらない
求人が増え、時給が低下した」(インテリジェンス)。 販売・サービス系もリクルートジョブズの調べで6円
(0・6%)安い931円。下げの理由は地方でのコンビニ店の求人増だ。大都市の店舗に比べ時給の低い
地方都市での出店が増えており、「時給引き上げが難しい」(リクルートジョブズ)。
日本経済新聞
2013年7月4日 2:04 PM | カテゴリー:社労士