「ミニ保育所」新設、待機児童解消へ新認可基準

政府は、待機児童解消に向けた保育所の受け皿作りに本格着手した。ビルの空きスペースなどで

開く「小規模保育(ミニ保育所)」を新設。すべての職員が保育士の資格を持たない施設でも国費で

支援できるようにする。機動的に増やせるミニ保育所を待機児童解消の切り札と位置づけ、40万人

分の受け皿作りを急ぐ。 政府はミニ保育所の職員配置や設備、面積などを定めた認可基準の案を、

25日の「子ども・子育て会議基準検討部会」に示す。8月までにとりまとめ、2014年度から自治体が

事業に取り組めるようにする。 ミニ保育所で想定するのは児童定員6~19人の小型施設。認可対象

になれば、運営費の約6割を国や自治体の補助によって賄えるため利用者負担も減らせる。 従来の

認可保育所では全職員が保育士資格を持っていることを義務づけていた。今回の認可基準案では

この規制を大幅に緩和し、職員の半分しか保育士がいなくても認可対象とすることにした。 効果は

大きい。例えば東京都の認証保育所では職員の6割が保育士。従来なら国の認可の対象から外れ、

国費支援も受けられなかった。ミニ保育所の制度が導入されれば、こうした認証保育所も国費支援の

対象となる。 ミニ保育所では形式的な資格については規制を緩和する一方、実質的なサービスの

中身はしっかり守る。例えば給食は外の業者に作らせず、キッチンを設けて自前で調理するのを原則

とする。子供1人あたりの広さや屋外の遊び場の確保は認可保育所に準じて求める。安心して子供を

ミニ保育所に預けられるように配慮する。 安倍政権は保育需要がピークを迎える2017年度までの

5年間に、計40万人分の保育の受け皿を整える方針を掲げている。認可保育所を新しく作るには時間

がかかるため、今ある保育施設からミニ保育所に衣替えするよう促す。

日本経済新聞