2013年 08月

高額介護サービス費制度

厚生労働省は、月々の介護サービス費が高額になった場合に自己負担が上限額を超えた分を還付する制度で、
高所得者の負担上限額を約2割引き上げる方針を決めた。夫婦で年収520万円以上と、現役世代並みの所得が
ある人が対象だ。政府の社会保障制度改革国民会議の報告書を受け、高齢者にも能力に応じた負担を求める。
2015年度からの実施を目指す。 社会保障審議会の介護保険部会で年内にまとめ、来年の通常国会に提出
する介護保険法改正案に盛り込む。介護サービス費の自己負担は一律1割だが、「高額介護サービス費制度」
として月々の負担額に上限を設け超過額は払い戻す。介護費がかさんでも自己負担が膨らまないようにするもの
で、公的医療保険の高額療養費制度に相当する。 厚労省は高額介護費の負担上限額を、夫婦で520万円
以上と現役世代並みの年収がある高所得者について、現行の3万7200円から4万4400円に引き上げる方向で
調整する。現役並み高所得者は保険加入者数ベースで全体の約7%。00年の介護保険制度創設からずっと
据え置いてきたが、医療の高額療養費は順次引き上げており、これと同水準に合わせる。 国民会議の報告書
を受け政府が21日に閣議決定した社会保障改革のプログラム法案骨子には、高所得者の負担増や給付抑制
の項目が並んでいる。 厚労省は高所得者について、高額介護費の負担上限額の引き上げを介護費の
自己負担の引き上げとともに実施。給付も抑え、特別養護老人ホームなど施設入所者の家賃や食費の負担を
軽減する際、資産や非課税の遺族年金など実質所得を勘案し対象者を絞る方針だ。
日本経済新聞