2013年 09月

就活

2014年春に大学を卒業する学生の就職活動が始まって9カ月が過ぎた。内定を得られぬまま秋を迎えた

学生も多く、民間調査によると、8月時点で半数以上の学生が就職活動を続ける。大学側は就活の進め方

などを基礎から教えるセミナーを開いたり心理面でのサポートを充実させたりして学生を支援している。

「就活サイトに掲載のある求人情報では、6割の企業が8月までに採用を終えています。秋からの明暗は

情報をどれだけつかむかで決まります」夏休み中の8月下旬、千葉商科大(千葉県市川市)のキャリア支援

センターで、同校のキャリアカウンセラーが約20人の4年生に語りかけた。 秋以降も就活を続ける学生を

対象に、同大学が初めて開いたセミナー「3ステップ就勝塾」。9月上旬までの間、就活の進め方▽求人票

の見方▽志望動機の作成――などを基礎的な部分から指導する。 セミナーに参加した商経学部の男子

学生(22)は昨年12月以降、50社の説明会に参加。20社の選考を受けたが、夏までに内定を得られなかっ

た。「5社は最終面接まで進んだものの、企業研究がおろそかで、熱意を伝えきれなかった」と振り返る。

年内に内定を得るのが目標で「就活サイトで企業を探していたこれまでのやり方を変え、大学の求人票を

積極的に使いたい」と話す。 川瀬功キャリア支援センター長は「選択肢があるうちに、チャンスをつかんで

ほしい」と期待を込める。 同大学は12年10月までの約1年間で、学内企業説明会に延べ1千社を招いた。

うち80社が計100回を超える1次選考会を学内で実施。千葉商科大生の採用に積極的な約500社とは

「アライアンス企業」として連携を深め、内定率の向上を図っている。 法政大(東京・千代田)は求人票の

活用をテーマとしたセミナーを昨年度から本格的に始めた。これまでは企業側が求人を出しても、学生側が

事業内容を理解できなかったり、見逃したりすることが多かった。「求人票の見方を解説されて、初めてその

企業の魅力に気づく学生も少なくない」(キャリアセンター担当者)という。 就職情報サイト「エン・ジャパン」

の利用者を対象に8月に実施した調査では、来春卒業予定の学生320人のうち、就職活動を続ける学生は

55・6%に上った。 活動中の学生の悩みは「面接」が29・2%で最多。「漠然とした不安や焦り」(21・3%)、

「やりたい仕事が見つからない」(10・1%)が続いた。 駒沢大(東京・世田谷)によると、50社以上に応募し

ても秋までに内定が得られず「自分は社会に必要とされていない」と気落ちする学生もいる。内定を得た

同級生と顔を合わせづらくなり、ゼミや授業から足が遠のくこともある。 同大学は9月下旬、就活を続ける

4年生が互いに悩みを打ち明ける「キャリ・ゼミ」を開く。来年3月まで週1回のペースで続ける予定で、第1回

は就活で辛かった経験を話し合ってもらう。同大学キャリアセンターは「就活に悩んでいるのは自分1人では

ないという安心感を得て、活動を続ける意欲を高めてほしい」としている。 立正大(東京・品川)は人材紹介

会社と連携。来年1月、学内に数社を招いたイベントを開く。人材会社が学生の志望を聞き、企業の求める

人物像にあった学生を紹介する。「昨年度に実施したところ、高い実績を上げた。人物重視で、通常よりも

選考が短くなるケースもある」(同大学)としている。 このほか、ハローワークのジョブサポーターを招き、面接

や求人の探し方を学生に指導してもらう大学も増えている。

日本経済新聞

給与計算代行 東京