過労死防止法案 成立へ

過労死防止法案:成立へ…衆院委通過 国に実態調査促す

過労死被害者の家族らが求めていた「過労死等防止対策推進法案」が23日、超党派の議員立法で

衆院厚生労働委員会に提出され、全会一致で可決した。法案は月内に衆院本会議にかけられ、

今国会内での成立を目指す。「KAROSHI」として国際的にも知られる労災の防止を目指す法律が、

初めて成立する見込みとなった。

法案は、過労死や過労自殺を社会の損失ととらえ、国の責任で防止対策を実施するよう促す。

具体的には(1)過労死の実態の調査・研究(2)国民の関心と理解を深める啓発(3)相談体制の整備

(4)民間団体の活動支援−−などを挙げている。

委員会では審議の冒頭、法制定を求めてきた「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表(65)

が意見陳述を行った。

飲食店店長だった寺西さんの夫は、1996年に厳しいノルマと長時間労働を強いられ、過労自殺した。

寺西さんは「(夫の)命を救えなかった悔しさが胸に刻み込まれ、どうすれば死なずに済んだのかを

考えることが私の生きるテーマになりました」と活動のきっかけを語った。その上で「若者が過酷な

労働環境に追いやられ、優秀な人材をなくすことは日本の未来をなくすことです」と訴えた。

意見陳述後、法案説明と採決が行われ、全会一致で可決。傍聴席を埋めた遺族ら約50人は両手を

上げて喜んだ。過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士は傍聴後、

「当初は『個人の問題』とされた過労死が、増え続ける被害に『社会の問題』と認識が変わったことを

実感した」と話した。

毎日新聞