ベアは基本給の2%
連合「ベア2%程度」、春季労使交渉、統一要求5年連続へ。
連合が2018年の春季労使交渉で、基本給を一律に底上げするベースアップで2%程度を求める方向で調整に入ったことが14日、分かった。ベアの統一要求は5年連続となる。「2%程度を基準」とした今年と同様の水準となる見通しだ。中小の労働組合にも積極的な要求づくりを進めるよう求め、大手企業と中小企業の賃金格差の是正を促す。
連合幹部は14日、来年の春季労使交渉の「基本構想」について協議。来年春の交渉でもベアを求めることを確認した。19日に開く三役会と中央執行委員会で骨格を固める。連合の基本構想は、傘下の労働組合が要求水準を決める時のベースになり、今後各労組で具体的な水準づくりに入る。
「2%」を明記するのは4年連続。15年の労使交渉で「2%以上」のベアを要求したが、16年からは業績が振るわない一部の労組に配慮して「2%程度を基準」との表現に改めていた。
連合内部には「ベアの要求水準を下げれば、賃上げの機運が消えかねない」(幹部)との強気な見方が根強くある。景気回復を背景にした株価の上昇や人手不足の深刻化といった経済情勢も追い風にしたい考えだ。
ただ賃上げの勢いには陰りもみえる。連合によると、今春の賃上げ率はベアと定期昇給分をあわせて1・98%。2%を下回るのは4年ぶりで、製造業や流通業で前年の水準に届かないケースがあった。定期昇給とあわせた水準が年々低下していることで、ベア要求をさらに引き上げられない面もある。
連合は来年の交渉で企業規模の違いによる格差是正も進める考えだ。今春、300人未満の企業の賃上げ率は1・87%にとどまった。前年から0・06ポイント上がったが大企業との間になお差がある。
ベア―水準を一律引き上げ
▽…企業が社員の職務や勤続年数などで決めている賃金表を書き換え、賃金水準を一律に引き上げること。社員の年齢や勤続年数に応じて毎月の給与を増やす「定期昇給(定昇)」とは区別して使われる。賞与を算定する際に基本給を基準としている企業が多い。このためベアの実施は賞与の押し上げ要因にもなる。
▽…ただ、基本給の額を上げると景気の後退局面になっても引き下げるのが難しい。ベアは人件費の負担が後々まで増えるため、経営サイドは業績の安定が見通せる状況でなければ踏みきりにくい。支出が一時的な賞与増額とは異なる。連合は2014年から5年連続でベアを要求する方針。ただ今年は人手不足の交通・運輸などを除き、幅広い職種で前年実績を下回るなど賃上げの勢いが鈍った。
▽…安倍晋三首相は賃金上昇による消費の底上げを目指している。経団連や連合などと対話の場を設けて賃上げを求めてきており、こうした流れは「官製春闘」とも呼ばれる。安倍政権は最低賃金の引き上げにも積極的で、毎年3%程度上げて、全国平均1000円を目指す方針を掲げている。
日本経済新聞
2017年10月15日 9:36 AM | カテゴリー:社労士
