外国人社員の幹部育成

3メガバンクや保険会社が外国人幹部の育成に注力している。相次ぐM&A(合併・買収)や

出資により拡張する海外拠点のトップを担える人材を増やす狙い。将来の本社役員への登用

も視野に入れている。国籍に関係なく昇進できる仕組みを整え、優秀な現地人材の確保につ

なげる。 三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行は今年から欧米の有力ビジネススクールと提携し、

幹部行員の育成プログラムを始めた。三菱東京UFJは8人、三井住友は9人の外国人行員が

短期の集中講義を受け、新規の事業計画などを策定して経営陣に提案する。

みずほフィナンシャルグループも今年度中に、約6000人の外国人行員から200人を選抜し、

英語での幹部研修を実施する。 保険では東京海上ホールディングスが昨年から、買収した

欧米の保険会社の幹部などを対象とした研修を開始。10月下旬には、より若い中堅の現地社員

向けの幹部育成研修も導入した。 大手金融機関が外国人社員に対する研修に乗り出すのは、

収益に占める海外比率が高まり、人事や組織面での国際化が急務になっているため。現地の

事業を軌道に乗せるには、本社の経営手法を理解する現地人材を増やす必要がある。

日本人社員との接触の機会を増やし、本社と海外拠点の結びつきを強化する目的もある。

日本経済新聞