国税・年金保険料、カード納付可能に

国税・年金保険料、カード納付可能に、17年から、ネット上で手続き。

政府は国税や年金保険料の納付を、2017年からクレジットカードを使って

ネット上でまとめて手続きできるようにする。企業を介さずに所得税や法人税、

国民年金を納めている自営業者や農家が対象で、税務署や金融機関に出向

く手間を省ける。利便性を改善することで、税・年金の納付率を高める狙いだ。

26日に内閣官房を中心に各省庁が「キャッシュレス化に向けた官民一体での

対応」として方針を発表する。 16年に政府が導入する社会保障と税の共通番号

(マイナンバー)制度とも連携させる。自分のマイナンバー関連の情報をネットで

閲覧できる政府サイト「マイ・ポータル」に決済機能をつける。 自営業者などは、

ネットで買い物をする感覚で、家庭のパソコンやスマートフォン(スマホ)を使い、

税や年金保険料をまとめて納められる。従来もクレジットカードを使った年金保険料

の定期的な引き落としなどはできたが、複数の国税や保険料はそれぞれ別に

手続きしなければならず、一括で納付できなかった。 形式上は納付を仲介する

カード会社が一時的に税金や保険料を肩代わりすることになる。法律上、カード会社

を代理の納付者と見なす方向だ。 地方税では06年の地方自治法の改正後、

ふるさと納税や自動車税などで16都府県51市町村区がクレジットカードによる

納付を導入している。海外でも米国が同様の手法を採用している。政府はこうした

先行事例を参考に制度の詳細を設計する。 今回の対象となる自営業者や農家

は全国に約1800万人いるが、特に国民年金の納付率は65%程度にとどまっている。

政府はパソコンやスマホで気軽に納付できる環境が整えば、納付率も高まるとみている。

日本経済新聞